さらにそこから、日本で今起きていることや、海外のニュースなどにも注意を向けるようにしていってほしいのです。

 世の中の動きに無関心になればなるほど、認知機能は低下します。新聞を読んだり、テレビのニュースを見て、世の中の動きを毎日気にするというのは、脳の働きを維持するためにも大事なことです。

「ハッピーな老後のために」
その9 完璧を目指さない

 何か新しいことを始めようとすると、100%を目指す人がいます。

 そういう人は、たとえば忙しくて筋トレを1日休んだだけで、「自分はなんて努力の足りない人間なんだ」と落ち込んでしまうようです。

 自分が決めた老化予防の目標を100%とすると、100%やりとげるのが一番よいわけですが、実際には90%でも80%でもその効果は多いに期待できます。

 老化を防ぐメソッドは、この先も長く続けていかないといけません。継続は力です。100%できなくても、やめずに継続することが大事なのです。

 やめるのは0(ゼロ)です。充実した老後を生きるためには、完璧にできない日が続いてもクヨクヨせず、「明日もがんばろう」くらいの気持ちでいましょう。数カ月間から数年間という長い時間をかけて行う寝たきり予防では「完璧主義」よりも「継続は力なり」が大切です。ときどきなら、少しだけ自分を甘やかしても大丈夫です。

「ハッピーな老後のために」
その10 調子が悪くても落ち込まない

 加齢による体の機能の低下というのは、誰にでも必ずあるものなので、少しくらい調子が悪いからといって落ち込まないことです。

 筋トレをやっていても、ひざや腰が痛くなったりすることもあるでしょう。年をとれば小さな不調の1つや2つあって当然です。深刻な状況でなければ、多少調子が悪くても気にしないで継続しましょう。ただし「これは何かおかしいな?」と思うような不安があったら、医師(かかりつけ医)に相談しましょう。

 ぴんぴん老後を手に入れることができるかできないかは、みなさん自身の心と気持ちにかかっています。この10カ条を忘れることなく毎日を過ごして、どうかハッピーですばらしい老後を楽しんでほしいと思います。