「結い」は、皆で力を合わせること、「2101」は、世紀の始まりである2101年を意味する。2101年につながるいい社会、いい未来を多くの人とともに創っていきたい、名前にこめたのはそんな思いだった。

「結い2101」では、独自の視点で日本の「いい会社」を厳選して投資をし、その発展成長を応援することで投資家の資産形成と社会の持続的発展の両立をめざしている。それが、長年投資の世界で経験を積んできた自分にしか果たせない役割だと感じている。

「社会をよくする投資」の本質

 2011年3月11日14時46分に東北地方を震源とした大地震が起きた。当日の日本の株式市場は、取引終了間際だったこともあり大きな反応はなかったが、福島原発を含めて事態の深刻さが明らかになった週明けの2日間で、日本の株式市場は20%近く暴落した。これから先、何が起きるかわからない、どれほどの経済的影響が出るかがわからないという目に見えない恐怖から、損をしてでも現金に換えて資産を守ろうと、まさに売りが売りを呼ぶパニック状態だった。実に100兆円もの時価が一瞬にして日本国内で減ってしまったのだ。

 こうしたなかで、鎌倉投信のお客様も不安になって「結い2101」をいったん売却する人も多いに違いないと身構えた。しかし、蓋を開けてみると、結果はまったく異なるものだった。「このようなときだからこそ『いい会社』を応援したい」という声をいただくと同時に、追加で投資したお客様が圧倒的に多かったのだ。当時はまだ営業を開始して1年目だったが、その1年間のなかで最大の入金件数があった。

 鎌倉投信は、「直販」といって、銀行や証券会社を経由せずに直接お客様と対話をしながら証券口座を開設してもらっている。野菜の販売に例えると「産地直送」で、顔の見える関係性を大切にしている。日本の投資信託の99%以上は、ネット証券などの販売会社経由で販売されていて、鎌倉投信のような直販は、全体の1%に満たない希少な立ち位置にいる。

 そのこともあって、お客様は、「結い2101」の投資の考え方や投資先企業の日頃の活動をよく知っていた。当時、追加で投資いただいたお客様からのメッセージの一部がこちらだ。