正解は、買うならF社。

ファンダメンタルズを見ずに急落銘柄を買うのは危険

「落ちてくるナイフはつかむな」という相場格言を知っていますか。

「急落中の銘柄を買うと、さらなる下落で痛い目にあう」という意味です。

 E社・F社の株価チャートは、まさに「落ちてくるナイフ」。株価が13週移動平均線を25%も下回っています。

 そろそろリバウンドするかもと思いがちですが、そこに落とし穴があります。

「業績悪化で売られているが、いずれ業績は回復する」と判断できる銘柄であればOKですが、もし「財務が悪化している」なら絶対に買うべきでありません。

 財務が懸念される銘柄に下値のメドはありません。

 万一倒産すれば残存価値はほぼゼロになります。値ごろ感で投資するのは危険です。

 E社の自己資本比率5%、F社は95%。

 F社は財務良好、E社は財務劣悪。自己資本比率だけで断定はできませんが、ほぼその判断で問題ありません。

投資プロが教える「買ってはいけない危険な株の共通点」

財務に懸念がある企業、10の共通点

 一般的に以下に該当する銘柄は、財務に懸念があり要注意です。

【財務に懸念がある企業の共通点】

①自己資本比率が10%を割れている
②PBRが0.5倍を割れている
③有利子負債残高が売上高より大きい
④無配(配当を支払っていない)
⑤2期連続で赤字
⑥3期連続でフリーキャッシュフローが赤字
⑦法令違反により世界各国で巨額課徴金を科されるリスクがある
⑧取引先企業が手形決済をやめ、現金決済を求める
⑨銀行から派遣されていた役員が辞任
⑩監査法人が財務諸表に「継続企業の前提に疑義あり」と注記

 上記の項目について、どれか1つに該当しても問題ないこともあります。ただし、複数項目に該当する場合は要注意です。

 E社は①②に該当します。

(本稿は、『株トレ ファンダメンタルズ編』から抜粋・編集したものです。)