なお化学的酸素要求量(COD)は、数値が大きいほど、水中に存在する有機物の量が多いことを意味し、それだけ水質汚濁の程度が大きいことになる。
前述した『水が汚い海水浴場ランキング2024』と、『「ふん便性大腸菌」が多い海水浴場ランキング2024』(8月7日配信)の結果を踏まえながら、今回のランキングを見ていこう。
1位は愛知県で、B・Cの海水浴場が最多の22カ所ある。ちなみに、同県における海水浴場の数は22で、内訳を見るとCの海水浴場はゼロだったため、「愛知県にある全ての海水浴場の水質がB」ということになる。
県内におけるCODの平均値自体は3.14mg/Lと、全国で2番目に高い。新舞子マリンパーク ブルーサンビーチ(知多市、CODは4.0mg/Lで全国11位)や、三河大島東浜(蒲郡市、同3.9mg/Lで全国12位)などがBで、かつCODの数値が高かった。なお、三河大島東浜は『「ふん便性大腸菌」が多い海水浴場ランキング2024』で19位にランクインしている。
2位は千葉県(21カ所)で、CODの平均値は2.47mg/L。上総湊(富津市、CODは4.9mg/Lで全国4位)や、上総湊(富津市、同3.1mg/Lで全国27位)などがBで、かつCODの数値が高かった。
3位は北海道(17カ所)だ。厚田海浜プール(石狩市、CODは4.6mg/Lで全国5位)ジェットビーチ石狩(石狩市、CODは4.5mg/Lで全国7位)、はぼろサンセットビーチ(石狩市、同4.4mg/Lで全国8位)などがランクインしている。
4位の青森県(11カ所)は、県内におけるCODの平均値が3.21mg/Lと、全国で最も高い。
本ランキングの注釈にも記載した通り、青森県には水質Cの海水浴場が3つある。小川原湖公園、小川原湖、わかさぎ公園〈いずれも小川原湖であり、川・湖沼の水浴場としてランクイン〉がそれだ。
数値を詳しく見ていくと、小川原湖公園(東北町、CODは5.7mg/Lで全国1位)や、小川原湖(三沢市、同5.6mg/Lで全国2位)、わかさぎ公園(東北町、同5.3mg/Lで全国3位)となる。
2024年において水質Cの海水浴場は上記の3つのみであり、『水が汚い海水浴場ランキング2024』の1~3位にこれらの海水浴場がランクインしていることがわかる。
5位は山口県(11カ所)だった。県内におけるCODの平均値は2.79mg/Lだ。4位の青森県と海水浴場の数は同じだが、CODの数値が異なるため5位としている。きららビーチ焼野(山陽小野田市、同4.6mg/Lで全国5位)などが含まれる。
なお、海水浴場として開設されていなくても砂浜への出入りは可能だが、遊泳区域を示すブイがなくライフセーバーもいないなど、泳ぐのは非常に危険である。この夏、海水浴には、必ず海水浴場が開設されているかどうかを確かめてから出かけてほしい。
また、ランキング完全版では、6位以下の24都道府県の順位と海水浴場の数、CODの数値を掲載している。ぜひ確認してみてほしい。