テルモが喰らった“毒饅頭”、重度心不全の再生医療製品「ハートシート」正式承認が否決された顛末研究成果をアピールする澤芳樹教授(中央) Photo:医薬経済社
*本記事は医薬経済ONLINEからの転載です。

 化けの皮が剥がれたと言ったところか。重症心不全を対象としたテルモの再生医療等製品「ハートシート」について、厚生労働省の薬事審議会は7月24日、有効性が示されていないとし正式承認を否決した。15年9月に仮承認を得ていたが、その後の使用成績調査で十分な有効性を裏付けるデータを揃えることができなかった。厚労省が再生医療を産業として盛り上げようと14年に導入した条件・期限付承認制度の「第1号」として期待された製品の失敗だけに、テルモだけでなく、開発に関わった研究者、制度をつくった官僚すべての面目が丸潰れとなっている。