1浪で終える人と
多浪する人の違いとは?

 さまざまな浪人経験者に会ってきた私が考える、「1浪で終わるか・多浪するか」の大きな分かれ目は「1年間継続した努力ができるか否か」です。

 1浪で終わらせる人は、少しの中だるみはあれども、基本的には勉強を習慣化し、1年間継続して取り組むことができます。

 しかし正直なところ、多浪する人の中には、入試本番まで時間のある春〜夏に遊んだり、アルバイトをしたりした結果、勉強のエンジンがかかるのが遅れる人がいます。

 また、浪人を決めた直後から猛勉強を開始するも、モチベーションが続かず、途中から手を抜き始める人もいます。真面目に勉強をしていても、成績が下がった際に落胆し、勉強に手がつかなくなる期間が長い人も見受けられます。

「意欲が続かない人」の一例を挙げると、私の知人には、6浪の末に「MARCH」の一角に入った友人がいます。彼には実力があり、夏の模試では毎年のように「早慶でA判定」を取っていました。ですが、それで気を抜いて勉強を休みがちになり、秋になると完全にモチベーションが落ち、入試本番で不合格になるというサイクルを繰り返しました。

 こうした現象が起きる要因を私なりに考えたところ、「当事者意識の問題」ではないかという結論に至りました。

 たとえば、現役時の不合格が悔しかった人は、「同じ失敗はできない」という強い危機感を抱いて浪人生活に入ります。受験勉強のスタートダッシュを決めて、自分を鼓舞しながら1年間を戦い抜き、入試本番まで走り切ります。こういう当事者意識の高い人たちは、浪人生活を1年で終わらせることができます。