個人がウェルビーイングを高めるための方法論

 では、私たち一人ひとりが、日常生活の中でウェルビーイングを高めるためにはどうすればよいのか? 前野学部長に具体的な取り組み方のポイントを聞いた。

前野 個人がウェルビーイングを高めるためのアプローチは、健康になるためのアプローチと同じです。健康になるためには、まず、健康について正しい基礎知識を持つこと。そして、健康診断などを通して自分の状態を把握すること。その結果をもとに生活習慣を見直し、場合によっては病院に行く。知識を持ち、診断し、必要に応じて行動する――これは予防医学、公衆衛生学の常識です。

 ウェルビーイングについても、まず、「幸せ」についての正しい基礎知識を身につけること。次に、自分の幸福度について測定し、数値などで可視化すること。そのうえで、周りの人に挨拶したり、感謝したりすることを習慣化し、その効果をまた測定する――この繰り返しが大切です。

「幸せ」についての基礎知識については、ウェルビーイングの科学的な土台となっているポジティブ心理学の書籍を手に取ってみてはどうでしょうか。私も、ウェルビーイングの入門書や解説書を著しています。

 自分の幸福度を測定してみるためには、無料のオンラインツールが複数あります。先ほど触れた「幸福度診断Well-Being Circle」もそのひとつです。こうしたツールを利用すれば、いま、自分のやる気はどの程度なのか、孤独を感じていないか、仲間に感謝しているか、といったことが客観的な数値として把握できます。

▲「幸福度診断 Well-Being Circle」のホームページ
「幸福度診断Well-Being Circle」の利用者数は30万人を超えている
「幸福度診断 Well-Being Circle」のホームページ
「幸福度診断Well-Being Circle」の利用者数は30万人を超えている
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