ニンジンの皮やヘタが「パウダー」に!
“もったいない”を減らす魔法の装置
こういった大量廃棄を解決しようと立ち上がったベンチャー企業を取材した。
まずは、過熱蒸煎機(かねつじょうせんき)という装置を開発し、食品廃棄量を大幅削減することに成功したASTRA FOOD PLAN(アストラ・フード・プラン)(https://www.astra-fp.com)だ。
どのような装置なのか、同社代表取締役の加納千裕さんに話を聞いた。
「過熱蒸煎機は弊社が開発した独自の装置です。食材に高温の水蒸気を吹きかけることにより、劣化と酸化を抑え、風味や栄養価を残しながら殺菌や乾燥ができる装置です」
この装置を使うと、わずか5~10秒という超短時間で食品を乾燥できる。これまでのフリーズドライ装置や熱風乾燥機に比べ、格段にコストを下げることが可能だ。
ちなみにフリーズドライ装置は、1台数億円する高額商品で、導入にはかなりのコストがかかってしまう。しかし、この過熱蒸煎機は、最小モデルで1500万円と格段に安く、導入しやすいのが特徴である。
「過熱蒸煎機を開発して、従来は廃棄されていた食材を新たな形で甦らせることが可能になりました。例えばニンジンの皮やヘタは、急速乾燥させることでパウダーとして再利用できます。また、ビールの搾りかすは低糖質食品の原料になります」