吉野家・牛丼の玉ねぎを再利用した
「意外な食べ物」とは?
2023年2月、牛丼でおなじみの吉野家が、この過熱蒸煎機を導入し運用を開始した。
同社は調理過程で大量に出る玉ネギ端材の処理に頭を悩ましていた。玉ねぎは大量の水分を含んでおり傷みやすい。さらにN-プロピルジスルフィドという動物にとって毒性のある成分が含まれているため、家畜の飼料にも使えない。そこで目をつけたのが、過熱蒸煎機だった。
導入後、玉ねぎの端材を過熱蒸煎機で乾燥させて粉末状に加工。オニオンパウダーを製造し、ASTRA FOOD PLANが買い取る。
それを「ぐるりこ(R)」という名前で販売しており、パン工場がこのパウダーを生地に練り込んでオニオンブレットを製造したり、カレールーに使用するなど、様々な方法で活用されている。
吉野家以外にも食品メーカーや農園など、過熱蒸煎機を使用して廃棄食材を再利用する企業が、いま増えているという。
「弊社は、産地や食品工場から出る食品残渣を加工し、食品メーカーへつなぐ『橋渡し役』だと考えています。玉ねぎだけではなく、飲料工場から大量に廃棄される茶殻や、漬物工場から出る野菜の端材など、大量廃棄の現場は数え切れないほどあります。食品廃棄を少しでも減らすため活用してほしいですし、弊社も普及により組んでいきたいと考えています」