資産を子どもや孫など次の世代にどう残していくのか。特に、資産額の大きな富裕層にとっては重要な問題だ。やり方を間違えると、子どもたちの間でトラブルになったり、資産の額を減らしてしまったりするかもしれない。長年、富裕層の資産管理をサポートしてきた筆者が、老後の資産管理や相続の準備において「絶対やってはいけない」ことをお伝えする。(アレース・ファミリーオフィス代表取締役 江幡吉昭)
老後の「お金の残し方」
絶対やってはいけない3つのこと
老後の資金管理と、次の世代にどう資産を残していくのかの2つは、多くの人々にとって非常に重要なテーマです。特に、資産が多ければ多いほど、どのように子どもたちに引き継ぐかが大きな課題となります。
その際、次の3つのポイントを押さえないと、大きな失敗を招く可能性があるのです。
(1)具体的な「資産額」を言ってはいけない
「スポイル」してしまうリスク
資産が一定程度ある場合(人によってその金額は異なりますが)、子どもや孫に贈与する方は多いでしょう。
しかし、親(もしくは祖父母)の全資産の具体的な金額を子どもや孫たちに伝えることは避けるべきです。「親にはこれくらいの資産があり、○○万円を子どもたちに渡す」というような数字をはっきり示すことは、子どもたちにとって悪影響を及ぼす可能性があります。