デイトレーダーは楽ではない
修羅の道を行く覚悟はあるか

 ただ私に言わせると、デイトレーダーという投機家は、「お金を使っている」存在に見えて、その実、「お金と働いている」存在でしかないと思う。デイトレーダーになれば就職しないで暮らせるように見えるものの、彼らはデイトレードという職業に就職してしまっている。かたやオフィス勤務、かたや自宅でモニターに囲まれてという違いこそあれ、本質は労働者であることに変わりはない。やはり「お金に使われている」のだ。

 さらにいえば、トレーダーとしての人生を選択しても、その世界で勝てるのか?それも一度の幸運ではなく持続的に勝ち続けられるかは、まったく別の話なのだ。

 そもそも、トレーダーとして日々売り買いを繰り返し、株式相場で目を見張る成績を上げ続けるのは生易しいことではない。トレーダーとは、日々、シビアに結果が求められる仕事で、そこで生き抜くには常時並々ならぬ勉強と、毛が生えたような強心臓が必要となってくる。何よりもセンスや嗅覚も必要だし、マネーゲームの対象となる企業やその従業員がどうなっても構わないという非情さも欠かせない。