ワークライフバランスの考えが、社会に浸透してきた今「会社のために長時間働けばいい」という考えは過去のものとなりつつある。プライベートが充実していれば、仕事のクオリティも上がるということが、認識されてきたのだ。ある意味でプライベートと仕事が融合しているこの時代、リーダーはメンバーそれぞれのプライベートに、どのように向き合うべきなのか。リーダー育成にも関わる著者が解説する。※本稿は、木部智之氏『リーダー1年目のマネジメント大全』(三笠書房)の一部を抜粋・編集したものです。
メンバーが休日に何をしているか
それを知るのもリーダーには必要
「敵を知り、己を知れば、百戦殆うからず」
(敵情を把握し、自軍を熟知していれば、百度戦っても負けることはない)
中国古典『孫子』の中でも、最も有名な格言の一つです。戦略とリーダーシップの重要性について、現代のビジネスリーダーにも多くの示唆を与えてくれる言葉です。
リーダーであるあなたは、ビジネスという戦場でチームを率いて戦わなければなりません。しかし、結果を出すためにはまず、自分のチームの状況を深く知ることが不可欠です。それらを知らずに戦っても、望む結果にはつながりません。
では、まず何を知ればいいのでしょうか?
それは、チームメンバー1人ひとりについてです。
メンバーのスキル、経験、キャリア目標など仕事に関すること。そして、性格も観察するようにしましょう。趣味や特技、週末に何をしているかといったことまで知っておくのがベターです。
ただ、プライベートに関することは、執拗に聞き出すのではなく、雑談などの流れの中で、軽く引き出すくらいにとどめます。
プライベートを話したがらないメンバーに対しては、そのスタンスを尊重して、強引に引き出そうとはしないでください。
スタッフのプライベートを知れば
その強みを最大限に活かせる
私たちは勤務時間の中で仕事をしているので、仕事に関することだけを知っていれば表面上は回りますが、実際には、プライベートも仕事に影響するものです。従って、知り得る情報はできるだけアンテナを張って、収集しておきましょう。