しかし、思い出していただきたいのは、下位2割を排除して、意欲的に働く人材だけの組織を作っても、いつの間にか2-6-2の割合に戻るということ。これはもう、受け入れるしかありません。

 下位層にどうやって活躍してもらうかを考え、対応していくことはもちろん必要ですが、どうにもならないことがあるのも事実です。なぜパフォーマンスが上がらないのか、やる気を出さないのか、とヤキモキはしますが、組織に2割はそういう層がいるものだ、と割り切ることも、時には必要でしょう。

図表2:2-6-2をどうマネジメントするか?同書より転載
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仕事中のお喋りは
チームの生産性を上げる

 あなたは、仕事中の私語はよくない、と思っていませんか。

 確かに、「私語は業務時間のムダ使いだ」「ちゃんと集中して仕事をしなければいけない」という意見もあります。

 しかし一方で、「雑談」がチームの生産性を上げるという研究結果もあります。

 先のコロナ禍で、一時、仕事が完全リモートになった人も多いでしょう。会議や業務用件以外のコミュニケーション、いわゆる雑談がほとんどなくなったことで、何となく閉塞感や、非効率を感じた人も多かったのではないでしょうか。

 雑談とは、業務には直接関係のない、趣味やプライベートの話をすることです。それにより、3つの効果が期待できます。

(1)人間関係の構築
 雑談を通して、メンバーがお互いの業務時間外の姿を知ることができます。趣味や週末の過ごし方など、相手のことを深く知ることで、心理的距離が縮まり、心理的安全性が高まります。

 すると、仕事をするときに、お互いに身構えなくなるので、ちょっとしたお願いをしやすくなったり、相手が困っているときに自ら進んで手助けをしてあげるといった効果が生まれます。