大きなコンテナ台車が、何台も何台も倉庫から運び出されていった。

 昨日まで自分たちが企画し、製造し、販売していた商品が次々廃棄され、焼却されていく。その光景を、涙を流しながら見ていた社員もいた。

まったく受ける気はなかった
労働組合執行委員への復帰

 2009年に西武札幌店が閉店したあとも、「閉店ドミノ」は続いていた。

 2010年には和田繁明氏が再生に尽力してきた西武有楽町店が閉店。2012年にはそごう八王子店、2013年には西武沼津店、そごう呉店が閉店した。西武春日部店も2016年2月に、同年9月には西武旭川店とそごう柏店が閉店することが決まった。

 私はこの間、池袋本店で婦人服のナショナル・ブランドのバイヤーや、販売部の課長(ゾーン店長)、ルイ・ヴィトンなど高級ブランドを扱う婦人特選部の企画担当などとして働いていたが、「もう1度組合をやらないか」という打診は何度か受けていた。以前、組合で机を並べていたそごう出身で私の同世代だった中央執行委員がその後、委員長になって、自分の後任として私を候補に挙げていたのだ。

「仕事ぶりをずっと横で見ていて、この人なら任せられると思った」

 本音かどうか分からないがそう誘ってくれていた。実は、この前年にも組合に戻らないかという誘いをいただき、そのときは断っていた。別の先輩からのお誘いにも同様に答えている。