リミテッドエディションシリーズは悪戦苦闘の末、9年後の2018年2月に「店じまい」することになった。報道によると累計で数十億円の赤字を計上したという。この決定は、とくに婦人服売り場の社員にとって大きな衝撃だった。イトーヨーカドーなどのそごう・西武サテライト店舗も2017年に一気に10店舗もの営業を終了していた。

 とくに辛かったのが、店頭や倉庫にある大量の在庫をすべて廃棄したことである。経営陣は、「在庫を廃棄しないと、会計上損失処理できない。在庫で持っているわけにはいかない」と主張した。そのため、信じがたいほどの量の在庫を、期末までにすべて処分するという。

 池袋本店のバックヤードには、リミテッドエディションの商品が文字通り山積みになっていた。在庫はそれぞれのブランドごとに与えられたスペースで、ラックにかけられている。時には隣のブランドのスペースまで侵食し、溢れたパッキンが山積みになっていた。倉庫内に入ると右を見ても左を見てもリミテッドエディションだった。

 それをすべて、廃棄したのである。

 2メートル四方くらいの大きなカゴ台車に、在庫をぎゅうぎゅうに押し込んで、検品所に持ち込みパッカー車(ごみ収集車)に詰め込む。