当初はそごう・西武の店舗だけでの販売だったが、セブン&アイHDの鈴木敏文会長の指示でイトーヨーカドーの大型店内などにつくったそごう・西武のサテライト店舗(仙台泉、上尾、鷲宮、葛西、拝島、立場、橋本、大和鶴間、上田、松本、柏、武蔵小杉、三島の各店)でも販売するようになり、さらにはイトーヨーカドーの店頭にもリミテッドエディションシリーズを並べるようになった。

 しかし、このあたりから発注ロット数が増え、在庫過多が目立ちはじめた。原価が下がるという意味では良いのだが、在庫が売れ残り、値下げをして原価割れとなれば本末転倒である。イトーヨーカドー内の小型サテライト店舗ではデパートのような値付けは難しく、ずっと「◯割引」の表示を出したまま、年中セールのような状態になった。

バックヤードに山積みされた
愛着のある商品の行方

 私は婦人服ヤングからミセス売り場の「ゾーン店長」に配置替えとなり、メンバーと一緒に売り場展開を考える立場になっていた。

 自社で立ち上げたブランドを自社で売るプライベートブランドの成否は会社の利益に直結する。そのため、社内でも厳しく数字を求められた。本部から様々な調整を指示され、それを現場に伝えると、どうしても軋轢が起こる。私は両者の間に入って右往左往することになった。