「利確」もしない
「損切り」もしない

 したがって、目先のお金の増減にはほとんどこだわりません。「投資や資産運用でこれだけのリターンを上げた」といった話などいっさいしません。

 彼らが大事にしているのは、ムダなお金を使わないこと、そして何百年にわたって積み上げてきた一族の資産を減らさないことです。

 欧州の富裕層の投資や資産運用の基本スタイルは、「長期」「分散」「ほったらかし」です。これは欧州の富裕層が長い歴史の中でその資産を築き、守り抜いてきた鉄則です。

 私も投資や資産運用で成功するカギは、この「長期」「分散」「ほったらかし」だと考えています。

「長期」とは、投資は長期スタンスで行うべきということです。長期とは2~3年ではなく、最低でも5年、普通は10年、できれば20~30年のスタンスで取り組みたいものです。

 このくらいの期間で見ると、市場には良いときと悪いときの波がありますが、長期投資家にとっては、リーマンショックやコロナ禍などのイベントも単なるノイズにすぎません。目先の変動にとらわれず、大きな流れに乗っていけばいいのです。

 逆に、短期的なリターンにこだわることは、本来の投資とは違うと言っていいでしょう。目先の値動きに一喜一憂し、少しの値上がりで利確したり、悪い状況になると心理的に耐えられず、結果的に相場の大底で損切りしたりしがちです。