「分散」とは、投資対象を分散することが大切だということです。特定の商品(銘柄やアセットクラス)に資金を集中することは、相場言動の影響を受けやすくなります。ですから多種多様な金融商品の中から、逆相関や無相関の関係にある商品を選び、組み合わせることが大事です。これによってリスク低減を図ります。

「大勝ち」は狙わず
「大負け」を避ける

 投資で大事なことは、大勝ちすることではなく、大負けして市場から撤退するのを避けることです。それには分散投資が不可欠です。

 最後の「ほったらかし」とは、放置することです。ここで重要なのは「ほったらかしにできる状態をつくる」ことです。

 そのためには、レバレッジはかけません。レバレッジをかければ投資効率を上げることができますが、同時に相場変動の影響を受けやすくなります。相場の動きが気になると、ほったらかしどころではなくなります。

 資産運用においてこうした基本スタイルを取る欧州の富裕層にとって、重要なことがあります。それはこの運用方針を着実に実行してくれる資産運用のプロを見つけることです。全幅の信頼を寄せられ、大切な資産の運用を任せられる相手ということです。

 具体的にはプライベートバンクやファミリーオフィスに資産運用を託すことになりますが、その選定には時間をかけて経営層と話し合い、お互いの価値観や投資戦略をすり合わせます。