アラフィフが3年で「合格率10%未満」の難関資格をゲット!記憶力より重視した「たった1つの力」とはPhoto:PIXTA

大人になってから新たな分野の勉強に挑戦し、成果を出した人はどのように勉強していたのか。50歳を目前に合格率10%未満という難関、「社会保険労務士」の資格試験にトライし、見事合格した社労士の佐藤敦規さんに、働きながらの勉強で工夫したこと、資格を取得して気付いたことなどについて、寄稿してもらった。(社会保険労務士 佐藤敦規)

リーマンショックで資産が激減!
年金についてしっかり学びたいと受験を決意

「将来年金は貰えないかもしれません。老後資金の不足を補うため、投資を始めましょう」――。

 17年前、約5095万件もの持ち主不明の年金記録の存在が発覚し、社会問題となっていました。同時に、不確実な年金の代わりとして、投資信託など株式投資への勧誘が活発になっていました。

 年金制度について基本的なことが分かっていなかった私は、老後の不安を解消するため証券会社に口座を開設。投資信託を購入しました。

 しかし、その直後に起こったのが、リーマンショックです。結局、私はなけなしの貯金の大半を失ってしまいました。

 株式投資について理解しない状態で投資を始めたのはよくなかったですが、年金などの社会保障制度についても、理解しておく必要があると実感しました。そこで、年金についての専門家である社会保険労務士(以下、社労士)の資格を取るための試験勉強をすれば、必要な知識が身につけられるのではと考えたのです。

 当時、私は中堅の印刷会社に勤めていました。紙の印刷物が減ってきており、先行きが明るい業界とは言えません。独立も可能な士業の資格を取得すれば、万が一の際の保険となるかもしれないという点にも、魅力を感じました。

 独立できる士業といえば、弁護士や税理士がありますが、40代半ばからこれらの試験に合格するのは現実的ではありません。生活に必要な知識を得られる、独立も可能、中年ビジネスパーソンでも合格できる可能性がある――この3つの要素を満たしたのが、社労士だったのです。