返品商品の25%は買い手がつかず
最終処分場で埋立処分される

 一次市場でも二次市場でも売れなかった商品は第4段階に進み、最終処分場に埋め立てられる。リバース・ロジスティクス企業のオプトロによると、アメリカでは年間約230万トン相当の返品商品が最終処分場行きになっている。これは返品商品全体の4分の1にまで達している可能性がある。

 なぜそうなるかというと、返品された時点で商品のダメージが大きすぎる場合もあれば、返品されても再販できない(下着や生ものなど)場合もある。このカテゴリーの商品は、わざわざ送料をかけて小売からメーカーに返送するほどの値打ちもないことが少なくない。

 これは実店舗では恐ろしいほどよくあることであり、そういう商品はただ単にダンプスター(大型ゴミ箱)に捨てられている。このため、実際にやっている人はそう多くはないものの、小売店裏のダンプスターから商品を引っぱりだして売るだけでかなり快適な暮らしを送ることができる(これをダンプスター・ダイビングと呼ぶが、地域によっては違法とされていることを念のために指摘しておく)。

 ジャーナリストのランドール・サリヴァンによる2015年の『ワイアード』誌の記事では、ダンプスター・ダイビングを実践しているひとりの人物の横顔を紹介している。テキサス州オースティン在住のマット・マローンだ。マローンはコンピューター・セキュリティのコンサルタントという立派な仕事がありながら、本業のかたわら趣味でダンプスターをあさっている。