処分しきれない返品商品は
パレット単位でまとめ売り

 オンラインの在庫買取業者も数社あって、返品商品や余剰在庫をパレット(フォークリフトなどで格納・輸送するときに貨物・商品を載せる台)単位で販売している。アメリカでいえば、Bストック社、BULQ社、リクイデーション・コム社などである。

 こうした業者は基本的には企業間取引なのだが、誰でもウェブサイトに入っていって、B級在庫品パレットをオークションに出すことができる。オークションのかたちをとらず、単にパレットを激安価格で出品してもいい。

 購入希望者は、カテゴリー(家庭雑貨、衣類、電子機器など)や、場合によっては状態(返品か余剰在庫か、など)を指定できる。写真も見られるし、品目のリストと、そのロットの合計小売価格を確認できるケースも多い。

 だが、知ることができるのはだいたいそこまでだ。部品が漏れなくそろっているのかどうかも、その商品が作動するのかどうかも、ほかのいろいろな情報もわからない。いうまでもないが返品は認められていない。

 その代わり、割引率はとてつもなく大きく、8割引きも珍しくない。この種のサイトを眺めるのはちょっとやみつきになるところがある。インターネットで検索すると、こうしたサイトからロット単位で商品を買って、自宅で中身を取りだす人たちの愉快な動画が山ほど見つかる。

 購入された商品はどうなるのだろうか。これはもう、あちらこちらに散らばる。手間暇かけて、商品を1個1個イーベイやアマゾン・マーケットプレイスに出品する人は多い。商品の検査や、必要に応じて修理をしたうえで、別のプラットフォームに売りに出す人もいる。海外に輸送され、あまり裕福でない地域の市場で販売されるロットもある。