因果応報!着エロの仕事がバレて
業界を去った「いじめっ子」
セクハラ以外の苦労もありました。これは必ずしも理不尽とは言えず、仕方のないことではありますが、タバコは商品の特性上、説明を間違えると一大事です。
そのため事前の研修では、取り扱うタバコについての長い台詞を丸暗記するまで帰宅できませんでした。助詞などの些細なミスすら許されず、説明を一言一句正確に覚えないと現場に入れないので、二回目・三回目と研修が続く場合もありました。
また、タバコの案件では、未成年者に試煙させた場合も一大事になります。しかし、タバコに興味津々の未成年者が本当の年齢を言うはずがありません。
そこで、とある現場ではコンパニオンたちに干支(えと)の表が配られ、「身分証明書を見せない人には干支を聞き、すぐ答えられない人はアウト」にするよう指示を受けました。「自分は20歳です」などとウソをつけても、干支まで瞬時に出てくる少年少女は少ないからです。
私たちはこうして年齢を厳しく確認した後、20歳以上だと確証が持てたお客さんに対してのみ、研修で覚えた説明をすらすらと披露していました。
タバコの案件では、説明の暗記や厳格な年齢確認だけでなく、コンパニオンの間での「いじめ」がひどかったことも印象的でした。
とある現場には「新人いじめがひどい」と悪評を買っていたコンパニオン・Aさん(当時26歳)が参加していました。実際、彼女は大勢のコンパニオンが二人一組で台詞を覚えていたとき、ペア(新人)の覚えの悪さが気に食わず、本人の目の前でディレクターに「この子、辞めさせてよ。覚えるの遅すぎ」と告げ口し、新人を泣かせていました。
ちなみに、私も別の現場でAさんと一緒になった際、衣装とアクセサリーの配布係だった彼女から無視され、着替えをなかなか渡してもらえなかったこともあります。
ただ、人を傷つけると自分に跳ね返ります。このAさんは自分と仲の良いベテランを除く、数々のコンパニオンを標的にしていたため、業界で嫌われていました。そんなある日、Aさんが着エロ(※)のDVDに出演していることが判明しました。
※セミヌードに近い過激な衣服などを着用したグラビアの一種
タバコメーカーはアダルト系の仕事を禁じていることから、彼女にいじめられていた人がすぐにディレクターに連絡。Aさんは一瞬で業界から消えたと噂で聞きました。