記事のなかで、あるスクールカウンセラーは自分の娘についてこう語っている。「娘がマリファナに操られている様子は、現時点ではまったくないと考えています。[ですが]、彼女は寝るときはいつもスマホといっしょです」

人間は何も刺激がない状態での
たった15分間を我慢できない

 スマホにひとつ強みがあるとすれば、それは自分と向きあう時間を二度ともたずにすむ点だ。

 折よくこんな研究がある。2014年、ヴァージニア大学とハーバード大学の研究チームが、2部構成の実験結果をサイエンス誌に発表した。自分の心と向きあうのを避けるために、人がどこまで我慢するかを検証したものだ。

 実験の第1段階では、被験者は軽い電気刺激を受け、それが金銭を支払ってでも避けたいほどの苦痛だったかを問われる。

 それに対し、42人が金を出したほうがましだと答えた。その後、42人はそれぞれ何もない部屋でひとりにされ、インターネットへのアクセスを含めまったく気を紛らせるものがない状態で、15分間自分と向きあうよう指示された。その際、ボタンを押して電気刺激を受けることも可能だと伝えられた。つい先ほど金を払ってでも避けたいと申告した、あの電気刺激とまったく同じものだ。