「EQS」の名前、1代限りで消えることに

 今回お届けするのは、メルセデスの最上級電気自動車EQSのインポーターインタビューである……と、記事に入るその前に、気になるニュースを一つ。

 英オートカー誌は9月4日、メルセデスのフラッグシップモデルであるSクラスが2030年に予定されているフルモデルチェンジで引き続き内燃機関を使用すること、そしてEVとして導入されたEQSの名称を廃止することを、同社CEOのオラ・ケレニウス氏が認めたと報じた。氏は「将来的には、内燃機関とEVの2つのSクラスが存在することになる」として、どちらも同様の内外装デザインを採用すると述べたという。

試乗したEQS試乗したEQS。まさか1代限りでその名が消えようとは…… Photo by F.Y.

 EQSの名称は1代限りで廃止となり、Sクラスと統合。ICEとEVは同じ内外装デザインになるのだという。

 オートカー誌の記事は、本インタビュー実施後に出たもので、なんともビミョーなタイミングで日本法人のインタビュー記事を出すことになってしまった。が、もちろんその部分にも踏み込んで伺っています。インタビューの終盤に出てきますので、読み逃しなきよう。

最近乗ったEVで間違いなくナンバーワンの乗り心地

 では、メルセデスEQSのインポーターインタビューをお届けします。

メルセデス・ベンツ日本 営業企画部 商品企画2課 マネージャー 木下潤一さん(以下、K):ご試乗いただいて、いかがでしたか?

フェルディナント・ヤマグチ(以下、F):素晴らしい乗り心地でした。ここ数年乗ったクルマの中で、間違いなく一番の乗り心地。陳腐な言い方で恐縮ですが、本当にスーッとこう滑るように走る。うっとりするような滑らかさ。ここしばらくEVの試乗が続いているのですが、間違いなくナンバーワンの乗り心地でした。

K:ありがとうございます。

F:どうしてこんなに良いのでしょう?他のEVと何が違うのでしょうか?……メルセデスだから良くて当たり前、と言ってしまえばそれまでですが、何かが根本から違うような、そんな印象を受けました。

K:なかなか言葉にするのは難しいのですが、我々メルセデス・ベンツが電気自動車を造る際、根本のところから、「メルセデス・ベンツを極めよう」というコンセプトがありました。メルセデスとは何か。スムーズで乗り心地が良くて静かなクルマ。それがメルセデスだよね、と。

F:はい。