EVは「ドカンと加速、ググッと減速」と味付けしがち

K:これは以前から出しているEQCの時から変わらない考え方です。電気自動車でもガソリン車でも、これらの要素は絶対に外さない。じゃあ逆に、それを外すとどうなるか。他の多くの電気自動車は、モーターの特性を最大限に利用して、ガソリン車では体現し得ないようなメリットを演出しています。具体的に言うと、どこからでもトルクがドーンと出るようなチューニング。さらに回生ブレーキの利きをうんと強くして、電気を取るために、あえて強い減速を見せる、という。

メルセデス・ベンツ日本 営業企画部 商品企画2課 マネージャー 木下潤一さんメルセデス・ベンツ日本 営業企画部 商品企画2課 マネージャー 木下潤一さん 写真:AD高橋

F:やりますよね。ドカンと来る加速。アクセルペダルから足を外すとググッと前のめりになる減速感。特にあの止まる時の「減速・回収感」は、ちょっと小銭がチャリンチャリン貯まっていくような感じで、決して嫌いではありませんが(笑)。

K:電気自動車“らしさ”を強調しようとすれば、自然とそうなるんですよね。その部分を強調して前面に出す。踏んだらトルクがバンと出て、アクセルを離したらウーンと減速する。これは今までに味わったことのない、新しい体験です。

 でもそれは、メルセデス“らしさ”になるのか、と。違いますよね。明らかに違う。今までのガソリン車と変わらない味付けに、いや、今までよりもさらにスムーズにしなければいけません。ガソリン車からお乗り換えになっても、違和感がないようにしなければいけない。アクセルに対する加速の質も同じかそれ以上にしなければいけません。メルセデスである限りは。

F:なるほど。明快なお答えですね。