「専業主婦の奥さまの通帳に多額の預金があるのはおかしい」

 税務調査にまつわるトラブルで多いのは、夫が妻の預金通帳で預金をしているケース。「結婚してからずっと専業主婦で、両親から大きな遺産を相続したわけでもない。その奥さまの通帳に1000万円を超えるような多額の預金があるのはおかしい!」と税務署は言うのです。

 そして、「このお金は奥さまの通帳に入っていますが、実質的には亡くなったご主人の遺産です。相続税を追加で支払ってください!」と相続税を追徴課税され、悲しい想いをする家庭が後を絶ちません。

 多くの方が「私たちの家庭事情は特殊だから」と考えがちです。しかし、相続にまつわるトラブルには明確なパターンが存在します。

 パターンが存在するということは、それを未然に防ぐ処方箋も存在します。本書では、実際にあったトラブル事例を数多く紹介し、どのようなメカニズムでトラブルに発展するのか、そして、その対処法もお伝えしていきます。