フランス人にも人気の「船岡温泉」
「さらさ西陣」の東隣には、歴史ある技法をベースに現代の要素を取り入れた唐紙作り工房兼ショップ「かみ添」が。そのまた隣には、100年近くにわたり京都で愛されてきた甘党茶屋「梅園」による「うめぞの茶房」も。こちらのお店では、あん、寒天、わらび粉など昔ながらの和の素材とフルーツやスパイスといった外国の素材を合わせた新感覚の「かざり羹」が、町家を再生したハイセンスな空間で楽しめます。
定食屋と立ち飲み処を併設するゲストハウス「月光荘」、立命館大学の学生寮を改装し、ものづくりにいそしむ作家たちがアトリエやギャラリー、ショップを展開する「藤森寮」、手打ちそばの人気店「かね井」など、どれも古き良き建物を思い思いに生かした、魅力あふれる建物が並んでいます。
紫野から西陣散策の最後には、鞍馬口通のオアシス的存在である「船岡温泉」で汗を流すといいでしょう。一般の銭湯の大人料金で利用できます。ゲストハウスも併設されていて、宿泊客は入浴し放題です。
神社仏閣に見られるような立派な唐破風(飾り屋根)を載せた趣ある建物は、今から100年ほど前、料理旅館「船岡楼」の付属浴場として建てられたもの。脱衣所の格天井に刻まれた天狗(てんぐ)と牛若丸の彫刻や、欄間の透かし彫り、浴室のカラフルなマジョリカタイルなどがあしらわれています。
脱衣所と浴室部分は10年ほど前、京都の銭湯では第1号となる国の登録有形文化財に。日本で初めて導入された電気風呂をはじめ、ジェットバス、くすり風呂、露天風呂など、お風呂の種類も充実していますよ。
外国のガイドブックにも紹介されているので、インバウンドの入浴客も多く訪れます。特にフランス人に人気なようで、お湯につかりながら耳にするフランス語もなかなかに乙なものです。