船岡山から東山方向を望む

船岡山船岡山からのパノラマビュー

 1467(応仁元)年から11年もの長きにわたって都の中心を戦禍に巻き込んだ応仁の乱では、山名宗全率いる西軍が船岡山に砦(とりで)を築いたとも伝わります。ここは1000年の都の歴史を語る際には欠かせない場所でもあります。

 建勲神社の東参道の石段を上りながら振り返ると、京都市街の眺望、その彼方には東山三十六峰のなだらかな稜線が!『枕草子』231段で清少納言が「丘は船岡」と称えた景色は、このあたりから眺めたものと考えられています。

 以前、NHK『歴史探偵』で「春はあけぼの やうやう白くなりゆく山ぎは 少し明りて 紫だちたる雲の細くたなびきたる」の風景とはいかなるものかが、この場所で実証されていました。いつの日か早起きをして、ここから東山に昇る朝日を眺めてみたいものです。

   建勲神社の境内からさらに山手へ向かい、船岡山のビュースポットである山頂付近へ。ここからは北西の衣笠山から南の伏見稲荷大社まで、パノラマビューが楽しめます。船岡山を歩いていると、ゴツゴツとした岩肌がところどころに見られ、桓武天皇が見立てた「玄武」(カメとヘビが合体したような空想上の霊獣)の姿を彷彿とさせます。春の桜、夏の青もみじに続き、これからの季節、秋化粧も待ち遠しいですね。