ちなみに、シャープのEV事業参入表明に対して、家電と自動車の融合の例として先行したソニーグループとホンダのEV「アフィーラ」の24年モデルが9月20〜23日、東京・六本木ヒルズで公開された。アフィーラは、25年に米国で受注を開始し、26年春から北米、26年後半に日本で納車開始となる予定だ。

 シャープのEVは、数年内に参入を検討しているとのことだが、EVについては「EV失速」という厳しい見方が強まり、自動車メーカー大手もEV計画の見直しを進めている。ダイソンやアップルといった家電・ITなど異業種からのEV進出も断念する動きがあり、グローバルで見ると、エネルギー政策も含めた国策に大きく左右される「EV化」が今後どう進んでいくかは、不透明な状況になっている。

 それでも、新たにEV事業に乗り出すシャープ。親会社のホンハイのEV事業に貢献できるのかと同時に、ホンハイ入りした元日産の関氏の経営手腕にも注目していきたい。

(佃モビリティ総研代表・NEXT MOBILITY主筆 佃 義夫)