ホンハイは、EV事業で25年に世界シェア5%、売上高1兆台湾ドル(約4兆4000億円)の方針を掲げている。
EVプラットフォームは22年3月に初のEVとして商用バス「モデルT」を販売したのを皮切りに、個人向け乗用EVとしてSUV「モデルC」(今回のシャープのLDK+コンセプトのプラットフォーム)、上級セダン「モデルE」、ピニンファリーナがデザインした「モデルB」に続き、関氏によると「モデルD」「モデルV」「モデルN」のプラットフォームが10月5日に披露されるという。
今回の提携でさらに注目されるのが、EVスタートアップのフォロフライが開発協力していることだ。フォロフライの小間裕康社長は元々、京都大学発ベンチャーEVメーカー「GLM」を10年に起業している。GLMは当時大きな話題を呼び、トヨタ自動車出身の技術者をEV技術責任者として採用し、「トミーカイラ」と提携したEVを開発している。当時、筆者も京都に飛んで取材したことがある。
その後、GLMは香港の投資会社に売却し、小間社長は21年に「フォロフライ」を設立、外部委託生産で国内初の1トンクラス宅配EVを開発した。21年秋には、SBSホールディングスが1万台の導入を発表している。
今回のシャープのEV開発でも、フォロフライの経験・知見を生かすことで、「リビングルームの拡張空間に」というコンセプトを実現させているのだ。