まず、関氏は冒頭に「高地トレーニングで鍛えられ、心肺機能が高まりました」と“ワンマン”で知られるニデックの永守会長に鍛えられたことを暗に示唆し、笑いを誘ってスタートした。

 シャープのEV領域への期待については、「ワーオと言える潜在技術をシャープは持っている」ことを強調した。「たとえば、携帯電話にカメラを先駆けて搭載したり、液晶技術に優れていたりするなど、歴史的にも高い技術で先行してきた」と、シャープの技術力を評価しつつ「残念ながらビジネスにするのが下手だったのかも」と指摘した。ホンハイの知見にシャープの「家電技術」が加わることで、「車が止まっている時間を使うEV」としての可能性に自信を示した。

 また、電動化と連動して注目度が高まっているSDV(ソフトウエア・デファインド・ビークル)についても言及し、「SDVの世界は、カッコよく言ってるが『スマホ』。要は車の中のソフトウエアをアップデートする。クルマの寿命を長くすることにも貢献する」と述べた。

 EVの現状分析について「EVは、現実的に三つのペインがある。高い・不便・もうからないが三つの痛みだ。“高い”はバッテリー単価が高過ぎるし、耐久性から残価に問題がある。“不便”は充電時間が長過ぎる。“もうからない”は、開発費と時間が掛かるから、30万台売らないとペイしないといわれてきた」と指摘。

 一方、「EV普及(の速度)は今後とも上がったり下がったりしていくだろうが、いずれは上がっていく。27~28年ごろにはこの混沌(こんとん)状況は収まるだろう」と“EV失速”の現状から、今後も発展を続けていくとの見方を示した。