さて、公証役場に行く公正証書作成本番の日(いつもどおり大安の日)を予約し、私も証人として寿用の白いネクタイで臨みました。無事、遺言作成が終わってAさんに「プロポーズが成功したら連絡くださいね。健闘を祈ってます!」と声を掛けました。

 その翌週でした。Aさんが弊事務所にあいさつに来てくれました。「お世話になりました。今から入籍してきます!」と婚姻届まで見せてくれたAさん、そして隣には右手に公正証書遺言を持った笑顔のCさんがいました。

「内縁の妻に財産を遺したい」→行政書士の教える「遺言の書き方」が具体的だった『「本当に」使える遺言書の取扱説明書』(中央経済社) 佐山和弘 著

「相続で前妻との間の子どもとモメたくない」

 これはバツイチ子持ちの男性と結婚を考える女性が抱く共通の不安でしょう。こうした男性の皆さんは遺言書という婚約指輪を渡してみてはいかがでしょうか。

 口だけで「大丈夫だよ」と言うよりも説得力が段違いにあると思います。遺言書が、不安な彼女の背中を押してくれるはずです。

 ちなみに、遺言書を作って渡したものの、プロポーズを断られ、結局、結婚を断念した場合は注意が必要です。作った遺言書が無効になるように撤回しておくことを忘れないようにしてください。