ケース2
特殊清掃会社B社の見積もり
男性・70代/間取り1K/東京都
・入室前作業 2万円
・遺品整理 34万円
・特殊清掃その他(オゾン脱臭含む) 24万円
計60万円

事情:築50年の賃貸アパートでの高齢者の孤独死。アパート自体、すでに入居者の募集が停止し、取り壊しが決まっている物件での孤独死だったため、遺族は清掃費用のみの負担となった。

 世間ではあまり知られていない孤独死のコストだが、遺体の腐敗が進めば、特殊清掃の費用として、数百万円というケースもざらになる。負担を強いられるのは、相続放棄をした場合を除いては、まぎれもなく血縁関係にある遺族だ。

引き取り手のない遺体は
公金でひっそりと火葬

 孤独死の火葬はどのように行われるのか。

 2016年8月、私は北関東のある火葬場で、孤独死の火葬に立ち会わせてもらうことになった。亡くなったのは鹿児島県出身の70代の男性で、都内のアパートで孤独死して引き取り手がなかったという。