──難関女子校の先生たちも口を揃えたかのように、男子と女子では成長曲線の違いがあるので、指導する側からすると女子の成長に特化して寄り添える良さがあるとおっしゃいます。塾でも同じですか? 

 理数系の科目だとそういう傾向はありますね。男の子は方法論さえ解かれば、とりあえず問題を解いてしまう傾向がありますが、女の子の場合はなぜそうなのかということを納得しないと先に進まない子が多くなる傾向があります。はじめて見る問題をいきなりスラスラ解きはじめるのか、納得するまで時間をかけながら解いていくのか……、男女の傾向に違いはある気がします。

 英語のスピーキングなどは別学のメリットがあるかもしれません。英語が苦手な子だと発音するときに躊躇することがあります。特に男女一緒の空間では、失敗してカッコ悪いところを見せたくないとか、いろいろ思うのが若者ですから。

──ありがとうございました。次回はいよいよ最終回。「中学受験を『するべき親子』と『しないほうがいい親子』のシンプルな違いとは?SAPIXが教える『撤退の期限』」について聞きます。

広野雅明さん
SAPIX教育事業本部本部長。SAPIX草創期から、一貫して算数を指導。算数科教科責任者・教務部長などを歴任。現在は、入試情報、広報活動、新規教育事業を担当。