これは、私たちには誰しも「人を喜ばせたい」という本能があるからです。仕事でもプライベートでも、自分が行ったことで人が喜んでいる姿を見たり、「ありがとう」と言われたりすると、うれしくなって、また何かしてあげたくなるのはそれゆえです。「また喜んでもらいたいな」「また力になりたいな」という気持ちが自然とわいてくるのです。

 ですから、

「いや、ちょっと待て。私はいつも支えてくれる両親の喜ぶ顔が見たいからレギュラーを目指していたはずだ」

「あの大学に合格して、将来この道に進んで人の役に立ちたいから、勉強を頑張っているんだ」

 このように、目標設定において、「自分のため」だけでなく、「誰かのため」という要素を加えることで、私たち人間が生まれながらにして持つ「人を喜ばせたい」という本能を味方につけることができます。もう限界と思えるようなときに、もうちょっと踏ん張ってみようという強い気持ちが生まれてくるのです。