イートインを削減して売り上げが上がるのは
おそらくファミマだけ

 では、このイートイン削減の動きは他のコンビニにも広がるのでしょうか?わたしは2つの理由からこの動きはファミリーマートだけで止まると考えます。

 ひとつめの理由は「イートインを削減して売り上げが上がるのはおそらくファミマだけ」と推測されるからです。

 これはあくまで現時点ではという条件つきですが、ファミマの場合は今、衣料品の販売が絶好調で、これが他社にはない優位性なのです。

 ファミリーマートでは今、コンビニエンスウェアの売り上げが好調です。FACETASMを創業したファッションデザイナーの落合宏理さんが2019年にファミマのコンビニエンスウェアのクリエイティブディレクターに就任して以降、ファミマといえばカラフルな衣料品というイメージが定着してきました。

 最初にヒット商品になったのがファミマカラーである白地に青とグリーンのラインが入ったスポーツソックスで、発売当初は700万足を売れる大ヒット商品になりました。

 落合さんはデザイナーとしては独特な色使いに特徴がある人です。2022年頃のファミマの衣料品はユニクロや無印良品などの衣料品と違い、微妙な色にこだわっている特徴がありました。

 それまでコンビニの衣料品では、出張や出先で急に必要になったという理由で下着や靴下を買う人が大半でした。しかし、そのヒット以降、ファミマでは普通にTシャツやトレーナーをファッション目的で購入する人が増えたのです。