私自身は、65歳の定年までにトータル14回の転職を繰り返していますから、転職に反対する家族から見たら、私は「とんでもない人」だと断言できます。

 ですから、そんな私が、14回の転職経験から、「転職はおやめなさい」と主張するとしたら、反対しているご家族にとって「これほど心強い援護射撃はない」に違いありません。

 ここではその期待にお応えすべく、今、真剣に転職に踏み出そうとしているあなたの気持ちを、できるだけ「グラつかせてみる」ことを試みたいと思います。

 そもそも「良くない印象」の理由の大部分は、「今さらリスクを冒さないでほしい」というものであるはずです。

「寄らば大樹の陰」で築いてきた
輝かしい実績を捨てていいのか

「年収が下がる」や「大企業に勤めていると言えなくなる」というのも、これまで我慢して働きながら手に入れていた特権の数々を手放すことを意味しますから、「そんな危険を冒してまで転職する意味が分からない」というご家族の気持ちはよく分かります。

 たとえばあなたは、これまで「20年以上同じ大企業に勤めていた」と仮定します。