「こんにちは」と言えたら
「よく言えたね」と褒める

 そうしたお子さんにとって一番大切なことは、まず、心理的なハードルを取り除いてあげることです。無理にあいさつを強いるのではなく、また、あいさつができなかったことを後で注意して叱るのではなく、あせらずに次の機会を待っていただけると良いと思います。

 もし、そのようなお子さんが、小さな声でもあいさつすることができたら、「こんにちは、って言っています」とまわりが代弁するなどしてサポートし、「よく言えたね」とあとで褒めると、次へとつながる大きな力になります。

 まだお子さんが幼くて、保護者の方と一緒に外出することが多い場合には、外出する前に、「いつも出かける時に会う〇〇さんに、ママやパパより先に『こんにちは』って言ってみようか」と、事前に声をかけておくと、お子さんにも心の準備ができて、いつか、小さな声でも「こんにちは」と言えるようになります。

 その時は、おおいに褒めてあげていただきたいと思います。できなかったことができるようになる、そして、そのことをしっかり見てもらえて褒められるといった経験を積み重ねていくことが、お子さんの自己肯定感を高める上での大切なプロセスだからです。