冒頭で、日常生活の中でも「話す力」を養える、とお伝えしました。最初は「こんにちは」というあいさつだけだったとしても、「今日は暑いね」「その犬の名前は何というの」「これ見て!今日、学校で作ったんだ」と、だんだんと会話の回数も増え、おしゃべりが弾んでいくと、お互いへの理解が深まり、信頼関係が生まれます。これはお子さんに限らず、大人の世界でも同じでしょう。

 私は、あいさつから始まる身近なおしゃべりこそが、「話す力」の芽を育てる土壌であると思います。

体を動かすスポーツこそ
「話す力」を育む

 お子さんたちの中には、定期的に習い事をされている方、学校や地域のクラブ活動に参されている方もいらっしゃると思います。ここでは、そうした活動の中でも、特に「スポーツ」が育む「話す力」について、お伝えしたいと思います。

 サッカー、野球、ダンス、水泳など、体を動かす「スポーツ」は、一見すると、「話す力」をさほど求めることはないように思われるかもしれません。しかし、スポーツの世界でひんぱんに行われる「振り返り」が、スキルやパフォーマンスの向上だけでなく、「話す力」を考える上でも、とても重要な役割を果たしていると思います。