たとえばアメリカでは、同時多発テロ(01年)以降、親同居未婚者が増えたことを知りました。従来は大学入学時に入寮し、自宅を出ていくのが一般的だったのに、01年以降は親元に居続けたり、一旦実家を出ても再び戻って来たりする若者、すなわち「Boomerang Generation(ブーメラン世代)」が顕在化していたのです。

 またそのころ、同国では「Helicopter parent(ヘリコプターペアレント)」、すなわち高校生以上の子どもに対し、まるでヘリコプターのように周りを旋回しながら干渉を加える親、も話題でした。

 07年に、ミシガン州立大学が若者と親の就活事情を調査したところ、子どもの給与を会社と交渉しようとした親が9%いたほか、子どもの就職面接に同席した親も、4%いることが分かったといいます(17年「フォーブス ジャパン」リンクタイズ、9月28日掲載)。

 さらに、お隣の国・韓国でも、90年代後半と08、09年にかけて「通貨危機」が起こり、「カンガルー族(日本のパラサイト・シングルとほぼ同義)」という言葉が広がっていました。韓国のニュースチャンネル「YTN」の報道によれば、85年から10年までの25年間で、未婚男女(25歳以上)が親と同居する世帯が約3倍にも増えていたのです(16年2月16日放映)。

図表1:親と同居する壮年未婚者(35~44歳)の推移同書より
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