侵入する男写真はイメージです Photo:PIXTA

首都圏で一般住宅を狙った強盗事件が相次いでいる事を受け、警視庁とさいたま、千葉、神奈川の各県警は合同捜査本部を設置し、8月以降に発生した計14事件を重点的に捜査する方針を固めた。これまで逮捕された実行役はいずれもSNSに投稿された「荷物の運搬」「ホワイト案件」「日給5万円」などのうたい文句に誘われ、指示役に秘匿性の高い通信アプリ「シグナル」で運転免許証などの写真を送信。「逃げても捜し出す」「家族を殺す」などと脅され、がんじがらめにされていた。(事件ジャーナリスト 戸田一法)

窓ガラスを割って侵入し
ハンマーで殴る荒っぽい手口

 14事件は(1)8月27~28日にさいたま市で強盗致傷、(2)同29日に千葉県八千代市で強盗予備、(3)同31日にさいたま市で強盗予備、(4)同日に神奈川県厚木市で強盗致傷、(5)9月3日に同県鎌倉市で強盗致傷、(6)同18日にさいたま市で強盗致傷、(7)同26日に千葉県船橋市で強盗未遂、(8)同28日に東京都練馬区で強盗致傷、(9)同30日に東京都国分寺市で強盗致傷、(10)10月1日に埼玉県所沢市で強盗致傷、(11)10月9日に千葉県船橋市で強盗致傷、(12)10月15日に横浜市で強盗殺人、(13)10月16日に千葉県白井市で強盗傷害、(14)10月17日に同県市川市で強盗致傷―だ。

 いずれも未明の時間帯に高齢者が住む住宅の窓ガラスを割って複数人で侵入し、住民を粘着テープなどで拘束して金品を奪うという荒っぽい手口が共通している。(12)は男性(75)がテープで手足のほか、顔にもテープが巻かれており、死因は全身打撲による失血死。鈍器で繰り返し殴られたとみられ、複数箇所が骨折していた。