ほかにも、悪天候のほうが乗客数が増えそうなイメージがあるだろう。
事実、国は今年7月から雨天時の時間帯・車両数を拡大した。
ただ、鈴木さんとしては「天気が悪すぎると稼働が減ってしまう。気温にしても、酷暑だと外出する人が減るのか配車が少なくなる。ぎりぎり耐えうる暑さでちょっとタクシーを使って外に出ようかとか、曇りで動きやすいからどこか遊びに行こうかくらいの気候のほうがお客さんが増える」という。
どうやら制度と実感との間にギャップがあるようだ。
いずれにせよ、現在のライドシェアの仕組みはタクシー会社にとっても、利用者にとっても、ドライバーにとっても中途半端な状態だ。
もしライドシェアを完全に解禁すれば安全性が低下するリスクがあり、逆に規制が強すぎると柔軟性がなくなってしまう。品質を保ちながらも、どこまで自由にするかのバランスが難しい。
日本版ライドシェアは、タクシー業界や国が「三方良し」の最適な落としどころを探している最中だ。