上司も部下も知っておきたい、“海外リモートワーク”でチームが元気になる方法

コロナ禍ですっかり一般化した“リモートワーク”だが、海外在住で日本の企業にリモートワークすることは、時差の問題などもあって、未だハードルが高いようだ。「HRオンライン」の執筆(*)でもお馴染みの東加菜さんは、ベトナムのホーチミンに住みながら、日本の企業(michinaru株式会社)の広報担当として、フルリモートワークを続けている。“海外リモートワーク”のメリットとデメリットは何か? また、リモートワークの多い社員に人事担当者や管理職はどう接すればよいか?――HR業界に深い知見を持つ東さんならではの就労観を「HRオンライン」が聞いた。(ダイヤモンド社 人材開発編集部、撮影/菅沢健治)

* 東加菜さんの「HRオンライン」執筆一覧

大手企業に「研修」を提供する仕事からスタート

 約20年前、東加菜さんは、新卒で経営コンサルティング会社の株式会社リンクアンドモチベーションに入社した。その後、現在に至るまで、HR業界での仕事を続けているが、社会人としての“スタートライン”はどのようなものだったのか。

 リンクアンドモチベーションでは、クライアントに「研修」を提供する部署に在籍し、新入社員研修や管理職研修などのコーディネートを行いました。私は大手企業の担当で、毎年4月5月は新入社員研修がメイン。講師の方に、受講者である新入社員の特徴や、クライアント企業がどういう人材を育てたいかを伝え、人事の方たちと一緒に研修を作り上げていく仕事でした。研修当日はさまざまな備品が必要で、たとえば、「50人8グループの研修の場合は、□□が〇〇個必要で、それをいつまでに△△の会場に送り……」といった段取りも不可欠でした。新入社員の数が300名におよぶ企業もあり、大会場を押さえることから始め、例年、100社ほどの研修をクライアントに納めました。

 そうして、東さんは、クライアント企業の研修作りに尽力し、自己研鑽を重ねて転職した。2社目は、スポーツを中心としたイベントや大会、関連団体の広報PRなどを行う企業だった。

 大学で「スポーツマネジメント」を専攻した私は、アスリートの代理人という仕事に興味がありました。私自身もサッカーをやっていたので、スポーツビジネスを盛り立てていく仕事がしたい、と。転職先では、Jリーグの大きな大会の広報をしたり、女子バスケットボールの日本代表チームの国際試合に帯同したりと、現在の広報仕事の礎になる経験を積みました。

 その会社を辞めるつもりはなかったのですが、やがて、リンクイベントプロデュースというリンクアンドモチベーションのグループ会社の立ち上げ期に、前職時代の上司が、広報兼人事兼……といったメンバーを探されていて、私にも声をかけてくださり、リンクアンドモチベーショングループに戻りました。いわゆる、アルムナイとしての復帰です。新会社・事業の広報活動に加え、採用活動を行ったり、インナーコミュニケーションとしての社内イベントを企画したり……いろいろな仕事をさせていただきました。

上司も部下も知っておきたい、“海外リモートワーク”でチームが元気になる方法

東 加菜 Kana AZUMA

michinaru株式会社  広報

2006年、リンクアンドモチベーション入社。大手企業の研修事業のほか、グループ内子会社リンクイベントプロデュースの創業メンバーとして、オウンドメディアの構築やメディアリレーション、新卒採用などを担当。結婚・オーストラリアへの移住を機に退職。海外での子育てを経て、リンクアンドモチベーショングループにアルムナイ採用で復職。関西拠点での新規事業立ち上げやグローバルHRイベントのプロジェクト責任者として経験を積む。2022年、家族とともに渡越。現在は、企業の新規事業支援を行うmichinaru株式会社で広報・マーケティングを担当。25卒内定者向けメディア「フレッシャーズ・コース2025」(ダイヤモンド社)の「“キャリア”って何だろう?」コーナーを執筆(第4巻)。