スマホを見ながら自転車で走る「ながら運転」
起訴されて有罪になれば前科がつく

 運転中に携帯電話などを操作する「ながら運転」は、1999年11月から禁止されたが、単に使用するだけでは罰則がなかったので、ながら運転の防止にはあまり効果がなかった。そのため2004年11月に罰則を強化。これを機にクルマやバイクを運転する際にハンズフリー通話が普及した。

 その後、スマホが普及すると通話だけでなく運転中にさまざまなアプリを操作するために画面を注視する人が増え、事故も増加した。そのため、2019年12月から、ながらスマホ防止のために罰則が強化された。

 自転車を運転している最中の罰則は厳罰化されていなかった。今回の道交法改正では自転車のながらスマホの罰則がクルマやバイクなどに合わせられた形だ。ただ、運転免許が必要な車やバイクは違反した際に違反点が加算され反則金を納める「行政罰」が定められるのに対し、自転車は行政罰がなく、「刑事罰」(懲役や罰金など)のみになる。もし取り締まり後に起訴されて有罪となれば罰が科され、前科がつくことになる。

 クルマを運転していたり、歩道を歩いたりしながら道行く自転車を見ると、危ないと感じることも多いだろう。筆者もクルマを運転しているとき、スマホを操作しながら車道を走る自転車が後方確認もせずふらっと車道の真ん中に出てきてヒヤッとしたことが何度もある。読者諸兄も同じような経験をしたことがあるはずだ。

 私事だが、筆者の母は繁華街を歩いている際にながらスマホをしていた自転車にぶつかられて転倒し怪我をしたことがある。自転車は「危ないな!」と吐き捨てて、倒れた母の介抱もせずそのまま立ち去ったそうだ。

LUUPやシェアバイクの普及で飲酒運転が社会問題に
自転車の飲酒運転を取り締まる検問も

 自転車の飲酒運転も以前から問題視されていて、中でもここ数年は急速に普及した電動アシスト自転車や電動キックボードのシェアリングサービスをタクシー代わりに利用する飲酒運転が社会問題になっており、警察は取り締まりを強化。自転車の飲酒運転取り締まりを目的とした検問も行われている。

 道路交通法で自転車は「軽車両」に分類される(第二条十一の二)。そして同法第二条九を見ると、「車両」の定義として自動車、原動機付自転車、軽車両およびトローリーバスと書かれている。