米大統領選で共和党のドナルド・トランプ前大統領が勝利すれば、中国に対する関税が引き上げられる可能性がある。それによって中国の貿易相手国がブラジルのような競合国に切り替わり、米国の農家は何十億ドルもの損失を被る事態となりかねない。トランプ氏が掲げる政策案では、輸入品全てに10~20%の関税を課すとしている(ただし関税率の幅は選挙期間中に変動してきた)。中国製品については現行の関税の引き上げを警告しており、中国からの輸入品に一律60%の関税を課すという。追加関税が実施されれば、中国からの報復を引き起こす可能性がある。米国の農業にとって中国は最大の貿易相手国だ。第1次トランプ政権下で過熱した貿易戦争が再燃した場合、中国は農産物需要の新たな供給ルートを見つける動きを強めるだろう。
米中関税戦争ならブラジル農産物に恩恵か
中国は供給国の切り替えを進め、米国の農家に大打撃となる可能性
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