また、子どもを持つか持たないかの決断は、諸刃の剣です。親になることを受け入れない決断は、後悔したり、批判を受けたりするかもしれません。受け入れた場合は、地位や収入にペナルティが課せられます。
このように、多くの場合、競合する優先事項や多大な要求の数々にエネルギーを吸い取られてしまい、コンフォートゾーン(自分にとって快適で落ち着く環境)に安住するほうが楽になってしまうのです。女性は、こうした多くの(時には感謝もされない)役割の期待に応えるプレッシャーを感じています。
2018年の国連報告書によると、「女性は男性の3倍近くの家事関連の労働(育児、高齢者のケア、料理、洗濯、送迎)を、通常は無報酬で担っている」のです。この負担が、日常の小さな動揺や、家族の病気や自身の健康問題といった困りごとによって増幅することもあります。
プレッシャーのなか、誰かを失望させてしまった、複数の役割の期待に応えられないなどと感じると、私たちは罪悪感にさいなまれます。執筆のために調査を行ったとき、あるワーキングマザーの言葉が私の心に刺さりました。
「親といえば母親を指すという根深い伝統を打ち破るのは難しいです。学校は母親にしか電話をしてきません。子どもたちを愛していますが、自分以外のあらゆる人と物事が優先されているのを感じます。私が職場で頑張っているときは、私は夕食作りに失敗しているのです」