最近ではそんな露骨なやり方は少ないとしても、長年の固定観念を取り除くのは難しいため、私たちはいまだに、過小評価され、軽視され、見くびられていると感じることがよくあります。
そのことを裏付けるのが、イエール大学のケリー・シュー教授と同僚たちによる調査です。
3万人近くの労働者の評価と昇進の記録を調べた結果、女性のほうが男性よりもパフォーマンス評価が高いにもかかわらず、リーダーシップ能力が低いという一貫して誤った判定が下されており、そのパターンが、その後に女性のパフォーマンスが期待を上回ってもなお続いていました。
シュー教授はさらにこう続けます。
マネージメントと潜在能力の観点から一般的に語られるのは、積極性、実行能力、カリスマ性、リーダーシップ、野心といった特性です。これらは本物の特性だと私は思います。そして同時に、非常に主観的であり、ステレオタイプ的に男性のリーダーに関連付けられています。
私たちが得たデータから見えてきたのは、潜在能力の評価において、女性に対してかなり強いバイアスがかかっていることです……。女性は、出世の階段を上がるにつれて、実際の将来的なパフォーマンスに比べて、今後見込まれる能力の評価が低くなります。このことが、上に行けば行くほどガラスの天井が厚くなる一因になると私は考えます。