ブラウン監督は現役時代の1992年~1994年に広島に在籍し、特に1993年は120試合118安打、打率.276、27本塁打83打点と活躍したのを私もよく覚えています。
広島時代のブラウン監督の退場8度の理由は「審判員への暴言」5度、「審判員への侮辱行為」1度、「遅延行為」2度。しかも、8度中6度が本拠地・広島。つまり“計算ずく”だったと思っています。
「どうせ退場になるのなら、お客さんを楽しませよう!」
ブラウン監督はプロスポーツとしてのショーマンシップを心得ていました。立派なエンターティナーです。
ストップウオッチを片手にダグアウトを飛び出してきたのが何度かあったのも、「遅延行為による退場処分の目安の5分」を計るためだったのは想像に難くありません。
クルーチーフだった私が退場させたのは2006年7月29日の横浜戦(広島市民球場)。
「Oh、通訳が入るから、2倍かかる。10分にしてくれないか」
「あなたの言うことは分からないでもないが……(頭いいなあ、笑)」
抗議パフォーマンスが面白くて思わず見入ってしまい、気づいたら17分が経過していました。他の審判員が「井野さん、そろそろ退場させないと……」。理由はもちろん「遅延行為」です。