もちろん、ここでお伝えしていることは新しいものではありません。お金や仕事、仕事上の地位への依存については、かれこれずっと警鐘が鳴らされてきました。ですが、あまりに多くの要因のために、中でも特にこの資本主義のシステムのせいで、私たちはすりきれてぼろぼろの同じ夢にしがみつき続けるのです。

 ネットを活用してフリーランスで働いている多くの人が、週7日、1日10時間働き、様々なアプリで手配した小銭を集金します。そして会社勤めをしている人は、仕事をしていないときでさえも仕事を持ち歩きます。スマホやメールで職場とつながっているため、休憩時間でも頭が仕事モードでぐるぐる回っているのです。

 人々は、人生を生きるもっと良い方法があるに違いないと気がつき始めています。収入や安定性は減りますが、その代わりに自分の時間を取り戻すことができます。

 仕事への考え方を改めるというのは何も新しいことではありません。時間や仕事との関係を見直す人々の系譜はエピクロス学派にまで遡ります。初期のギリシャ・ストア派と対抗していた学派で、参加する人々には共同体での生活や庭の手入れ、黙想し、くつろぎ、哲学の勉強をしながら時間を過ごすことを奨励しました。