「やあ、今アテネで足止めを食らっていて、誰かいい哲学者がいないか探しているんだ――報酬が高すぎるのはなしで!拡散希望!」
この場合はSNSが良い形で機能しています。信頼できる有用な情報を求めて手に入れることができ、それが品性を磨くのに役立つのです。
SNSに飛び交うデマの見分け方とは?
エピクテトスが語る理性力
しかしストア派の人々は、自分の行動の拠りどころとなる情報については慎重な態度をとっていました。
理性的な思考を重んじ、軽率な行動や不安と混乱からの行動はとらずに、確実な情報に基づいて行動し状況をじっくり見定めました。
SNSでは、デマ情報が流され、それに関する意見が生じ、危機感や恐怖を煽って利用しようとする者や、自分がいかに道徳的に優れているかをアピールする者が出てきて混乱の様相を呈し、明白な事実や情報が見えにくくなる可能性があります。
情報に信用性がなかったら、理性的に物事を判断するのは無理です。SNSの情報を利用する際にまず行わなくてはならないのは、それが自分に信頼できる情報を与えてくれるのか、それともデマなのかを問うことです。デマ、あるいは認証されていない情報源からのものであれば無視しましょう。
エピクテトスには、あたかもSNSについて語ったかのような言葉があります。